03.心気泣き



わかっていたんだ。いつか、きっとこいつは俺の手を離れていってしまうってことが。でも、それでも、わかっていたとしても許せなかった。今まで面倒見てきたやった恩も、いっしょに遊んだ思い出も、俺が注いできた愛情も全部全部捨てて行ってしまうお前が。素直(バカとも言う)で自由(空気読めないとも言う)で本当に愛してたんだ。だから、銃を向けられた瞬間、わかっていたけどわかりたくなくて必死で抵抗した。結局、俺はお前を撃てずにお前は独立してしまったけどな。
俺は何が出来たんだろうか。巣立っていってしまうお前に対してどうすればよかった?快く送り出せばよかったのか?そんなことできる訳がない。俺はずっといっしょにいたかったんだから。本当にどうしようもない俺の心はずっとずっとあの日から泣いているのかもしれない。わかっていてもわかりたくなくて知らないふりして涙を流している。今だに過去を引きずっている俺をお前はバカだと笑うだろうか?それともかわいそうだと哀れむだろうか?考えたところでそれはどうでもいい事だと気付く。俺はそんなものがほしいわけじゃない。じゃあ何がほしいのか?と聞かれれば、俺はわからないと答えるだろう。心地よい昔が、輝かしい過去が戻ってくるのならば願ってもいいと思うが。だが誰に願う?神か?神は何もしてくれない。あの時、散々泣き喚いて願った何もしてくれなかった。過去が戻らないことは知っている。だから、俺は自分が何がほしいのかわからない。いや、それも本当はわかっているのかもしれない。でも、それをわかっているかさえ俺はわからないんだ。
きっと、でも、何もわからくたって生きていける。俺はあの日からずっとそうやって生きてきたんだから、これからもずっとこのまま生きていくんだろう。そう、ずっと涙を流しながら。


心気泣き・・・どうしようもないもどかしさから泣くこと




<<back




title by:あなぐら

後書き
米←←英って感じで英の独白です。本当はちゃんと両思いなんですけど通じ合ってないだけなんです!(ダメじゃん
何かごちゃごちゃーっと支離滅裂してる英がかわいいなってことでけっして作者が書いてる途中で支離滅裂な文になってきたわけじゃありませんから!!(汗汗
しかもお題とあっているのか微妙だし・・・

2007/10/16