番外編その1・・・諸悪の根源かもしれない
「お前らなーいくらなんでも無茶しすぎだろ」
今、俺の前には剥れた三つの顔がある。しかもそっくり過ぎる位そっくりな。
「俺は気にしてない。あんなやつらの言うことまともに聞くなくていいぜ、頭腐ってくるからな」
「・・・けど、くやしい!」
「が貶めれるのを黙って聞いているなんて出来ない!」
「私はあいつらを許したくない」
むー・・・ここは怒ってる場面だからにやけるな俺の顔。表情筋をフル活動してポーカーフェイスだ俺!
俺ら四つ子というか、俺に集中的に嫌味アンド嫌がらせをしてきた腐れ爺どもに怒り心頭した雪、月、花が幼いながらも天才的な頭脳を最大限に使い仕返ししたのだ。まぁそれだけならいいが、そのせいで自分たちも被害を被ったというところが気に食わない。
何で、あんな爺どもの為にこいつらが怪我しなきゃならんのだ。まったく腹立たしい。
「俺もあいつらを許してるわけじゃない。別にあんなやつら如何でもいいんだよ。如何でもいいやつらのせいでお前たちが怪我をするほうが俺は嫌だ。―――でもありがとな、すっげーうれしいよ」
怒ったふりの顔を緩めて笑顔でお礼を言った。
これは本当のことで、俺のために仕返ししてくれたと言うことがうれしい。
「だからな、仕返しもな絶対やるなって訳じゃないんだ。やるなら自分に被害が来ないように、気付かせないように完璧にやれ。相手に弱点を見せるな、反撃の隙を与えるな。出来ないならやめろ。だ」
「うん。わかった」
「次は完璧にやってみせる」
「だから、我慢しないでね」
俺は幸せものだ。
食べるに困らないだけの財力って言うか、ぶっちゃけ考えられないぐらいの財に王家に継ぐ地位。しかも直系ときた。けど、俺が言いたいのはそんなことじゃない。そんもんがなくても、こいつらがいればきっとどこでも笑って過せるんだろうなって思う。
・・・って、ガァー!!!何か自分で思ってて恥ずかしいって!くさくねぇ!?めっちゃくさいよね!!穴があったら埋まりたい(ちが;)ってこんな気分!?
なんていう葛藤を表情に出さずににこやか(若干引きつっているのはご愛嬌ってことで)に笑って魅せた。
「「「ふふふふ・・・」」」
ばれてるみたいだけど・・・
ついでに、この時の俺の言葉が将来のこいつらの性格の悪さに一役買っているなんて俺はまったく断じて全然知らない。知らないったら知らない。
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後書き
幼き日の主人公たちの話でした。とりあえずこの言葉がきっかけでどんどんブラコン&性悪の道に進んで行っちゃう3人とか
2008/10/18