Half bonds
その後なんとか泣き止んだ私は兄上の心を推し量れなかった未熟さとか情けなさとかで恥ずかしくて顔が上げれなくて床とにらめっこしていると、ガユスさんが温かいココアを入れてきてくれた。気遣いが細かくていい人だなぁと思いながらお礼を言ってココアを受け取った。そしたら何でか兄上がガユスさんを睨んでいて、兄上もココアが飲みたかったのかな?
「あのぉ兄上、それで手紙の返事は?」
「あ、あぁ。まだ書けていない。無理だ」
「書きたいことがありすぎて纏まらなくて書けないのですね?だったら書けるまで待ってます。ゆっくり考えてお返事を書いてください」
「いや、そうではなくてな・・・その、待たなくてもいい。またその内返事は出すと伝えておけ」
「でも姉上から返事は絶対に貰ってくるように言われたんです」
「そう、か・・・」
「ギギナ、あきらめて手紙ぐらい書いたらどうなんだ?」
「お前は黙れ、喋るな息をするな」
「はっはーんギギナ君は何を言っているのかな、息をしないと死んでしまうこともわからないのかな?」
「ふん、そのぐらいのことを知らないのは今私の目の前にあるメガネ置き台ぐらいのものだろう」
「ギギナ、今すぐ死ね音速で死ね。俺のためにも世界平和のためにもだ!」
「フフフ、お二人は仲いいんですね」
「待ってくれちゃん何で今のを聞いてそうなるんだ?」
「こんなものと仲がいいとは私に対しての侮辱だぞ、まだ犬の糞と仲がいいといわれたほうがましだ」
「俺は犬の糞以下か!?」
「ほーやっと自分の立場を理解したか」
「やっぱり仲良しですね。うらやましいです」
「ちゃん・・・はぁ、何でこんな話になったんだ?お前が大人しく手紙の返事を書いていればこんな無駄な労力を使わなくてすんだはずなんだけどなぁ」
「はっ、お前には私のこの高尚な悩みはわからないだろうな」
「兄上、返事は本当にゆっくりでかまいませんから。私もエリダナをちゃんと見て回りたいと思っていたので書けたら連絡ください。そしたら取りに来ますよ」
「う、ああ。わかった」
「ちゃんはエリダナ初めて?」
「はい。手紙を渡しに来た時から今日までの三日間も観光をしていたんですが見て回りたいところがまだいっぱいあって困っていたんです。だからここにもまだいられてすごくうれしいです」
「そうかい、それはよかったね。ところでどこに泊まるつもり?」
「えっとぉ今までは普通の観光用のホテルに泊まっていたんですが、これからは安いビジネスホテルとか探そうと思ってます」
「あんまり安いとこはオススメしないね。安ければ安いほど安全性が保障されないから。あっどうせならギギナのとこに泊まったらいいじゃないか」
「え!?そんな、そこまで迷惑はかけれません」
「別にかまわない。、お前が一人寝る場所ぐらいある」
「でも兄上、本当にいいんですか?ご迷惑になりませんか?」
「かまわないといっているだろう」
「それじゃあよろしくお願いします」
そんなこんなんで私は兄上が手紙の返事を書き終わるまでお世話になることになりました。兄上が私のことを嫌いだったというのも誤解だということがわかって、ここエリダナでちょっとの間だけど楽しく過せそうです。絶対返事は貰って帰るんで心配しないでくださいね姉上
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後書き
おまけでした〜
実はギギナはシスコンだったんです。主人公ちゃんは全然気づいてなかったけどね
こんなところまだどうもでした
2007/6/6