義理堅い男、へタレ男。
「あ、えぅ・・・す、すいません!ほんとごめんなさい!!」
「はー・・・もう、ここはいから向うで稽古でもして来い」
「は、はい!」
稽古でもして来いと言われた少年は勢いよく何人かの兵士が打ち合いをしている方にとんで行った。
それを見ながらタメ息をついている男は竜の右目と知られている片倉小十郎だ。
「まったく何をさせてもやれやしねえなあいつは」
「ぎゃー待って待って待って!!」
「ってまだやり始めたばっかりだろぉが」
「や、だってもームリ。絶対肋骨折れたって!!めっちゃ痛いもん」
「お前はアホかこんくらいで折れるわけねぇって」
「いーや、折れるって!他にも腕とか腹とか痛いし」
「、お前それでも男か?男だったらそんくらいの怪我でピーピー騒ぐんじゃねぇよ」
「はぁ!?俺は男だ!!」
「だったら、ほらやんぞ」
「すいませんごめんなさい。ほんとちょっと休憩させてください」
「はー・・・」
とへたれっぷりを見事披露しているのを見て小十郎は本気で失敗だったかと悩みだした。
何が失敗かと言うとこの少年、を拾ってきて伊達軍の兵士に入れたのは片倉小十郎この人だったからである。
(あぁ、いっそのこと拾ってこないほうがよかったか?いやいや、そんなことを考えても仕方がねえ、拾ってきてしまったものはしょうがねぇんだから拾った俺が最後まで面倒見るって言うのが筋ってもんか・・・)
何だかんだ言っても面倒見のいい小十郎は悩みが尽きないのであったとかなんとか―――・・・
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2007/9/25