紙一重の感情だから。
天を仰げば顔に降り注いでくる櫻の花びら
ふと隣を見れば黒一色
素直にきれいだと思った一面の薄紅色の中にある闇
一枚の絵画のような完成された(自分でも陳腐な言い回しだと思うけどそれ以外に言葉が見つからないぐらいの)美とはこういうもののことをいうのかもしれないと思った
そしてただそこにあるだけなのに目を奪われる圧倒的な存在感
それはきっと俺の贔屓目も入っているかもしれないけどそれ以上にこの空目恭一という男は無意識に人をひきつけるカリスマ性がある
「、思考が全て駄々漏れだぞ」
「おう、わざとだ。お前がどんな反応返すかと思ってな」
「何を考えている目的が分からん」
「だからさ恭一はきれいだねって話。目的はこれで恭一が落ちないかなーって」
「何度もいうが俺は恋愛というものを認めていない」
「そんなんとっくの昔から知ってるけどー・・・―――こんだけ褒めてみてもダメかー」
「さっきのは褒めていたのか」
「めっちゃくちゃ褒めてんじゃん俺の本心よ。ってか恭一が美人さんってのは周知の事実だし。後、変人なのも」
「フン」
「鼻で笑うとかヒド!っていうか突っ込みはなしなのね・・・ま、いつか落としてやるから覚悟してな」
「そうか、では楽しみにしてよう」
「その余裕がムカツク」
は俺がきれいだといったがそう言って笑ったのほうがきれいだと思った
何時もの会話が、流れる空気が心地よい
この心地よい空間に浸っているのも嫌いではないと伝えるとどんな顔をするのか見ものだな
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2007/8/16