「最低っ!もうほんとに何なのよあの男!信じられない、ありえない、信じていた自分も最低よこんなの!!」
これは決して俺に向けられた言葉ではない。今はどこかの女とよろしくやっている元彼に向ってだ。
悪態をつき罵詈雑言を吐く女は、アルコール度数が強い酒を一気に飲み干しこちらを睨みつけてきた。
「ちょっと聞いてるの進次!?」
「きいとるきいとる」
空になったコップに手酌で酒を注ごうとするのを止め店員に冷を頼む。
「何よ、その適当な返事!酔っ払いだと思って舐めてるの!?」
「はぁー・・・あんな、お前もう十分な酔っ払いやろ。その辺で止めとけよ明日後悔すんで」
「後悔なんてとっくにしてる・・・何でこうなるのよぉいい加減自分の馬鹿さにいやになる・・・」
喚いていたと思ったら、いきなり机にうっぷして泣きだすとは情緒不安定にもほどがある。
「んで、これ何回目やふられんの?」
「進次のバカぁ傷口に塩塗りこんで楽しぃ?」
「楽しゅうはないけどふられる度に愚痴につき合わせられるんはなー」
彼女は何か考えているように少し間を置きこちらに申し訳なさそうな顔で振り向いた。
「ごめん。そうだよね、こんな話聞いたって面白くもなんともないしほんと迷惑だよね」
「ちゃう。お前の口から他の男のことで話なんか聞きとぉないし、泣き顔も見とぉないねん」
本気でポカーンとされた。この女鈍いと思っていたけど、予想を裏切らない反応に涙が出そう・・・
「だからな、俺と付き合わん?」
「・・・・・・・・・・っはあ?」
「その反応はむかつく。あんな、俺はお前のこと好きやでずっと前から。全然気づいてへんだみたいやけどな」
「あ・・・うん、ごめん・・・」
「あんな、俺やったら絶対お前を泣かさへんと言わへん、きっと喧嘩も泣かせることもいっぱいすると思う。けどなそれ以上に笑わしたる。だから俺にしとけ」
目が落ちるかと思うくらい大きく開かれた瞳は相変わらず混乱を写していたけど、赤くなってきた顔は脈ありとみていいだろ。
「まぁゆっくり考え、こんだけ待ってんやから今さら急かさんさかい。でも返事はイエスしか認めんで」
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後書き
トッキュー!!の嶋本進次です。マイナーですいません・・・でも好き!愛してる軍曹めちゃめちゃかっこいい。そんでもってかわいすぎ
どっかに漢前の軍曹落ちてないかなー
2008/8/20
title by:ドルチェ