01.いつもと違う香り
ん?何か甘いにおいがする。キッチンのほうからかな?
・・・クラトスさんが料理してる。いや別に料理すること自体はそう珍しいことじゃないんだけど作ってるものが問題というかなんと言うか、なんとお菓子作りしてるんですしかもケーキっぽいやつです。クラトスさんにケーキって似合わないね
「そこで何をしている」
「クラトスさんが珍しいもの作ってるなって思って見学してるの。どうしちゃったのケーキなんか作って?」
「今日はの誕生日だろ気付いていなかったのか?」
「そういえば今日だったわ。すっかり忘れてた」
「自分生まれた日も忘れていたのか・・・後もう少しで出来る、リビングで待っておけ」
「だって最近忙しかったんだもん。じゃあアッチで待ってるね」
それにしても私のためだったんだめっちゃうれしいかも。でも何で手作りケーキなんだ?クラトスさんが自分でそんなこと考え付くとは思えないし誰かの入れ知恵かな?コレットちゃんあたりだろうねクラストさんにこんなこと言うの
「クラストさん出来たの?」
「ああ」
「うわぁ、すごーい。キレー美味しそう。クラトスさんってご飯作るのだけじゃなくてお菓子作るのも上手なんだね」
「このぐらい普通だと思うが」
「えーそんなことないと思うよ。だって私どんなに頑張ってもこんなに上手に作れないもん」
「どうせ分量を目算でつくっていたのだろう」
「そのとおりでございます・・・そんなことはどうでもいいの!ね、食べていい?」
「ああ、飲み物を入れてくる」
「じゃあ私、切り分けとくね」
んー包丁入れるのもったいないなぁ本当に器用だよねクラトスさんて。しかも匂いが甘い香りしたよめったにないねこんな経験
「紅茶ありがとう。今日は至れり尽くせりだね」
「いや、私にはこんなことぐらいしか出来ないからな」
「そんなことないよすごくうれしい」
「そうか」
うわ、そんな笑顔で言われたら何にも言えなくなっちゃうじゃん。ケーキ美味しいし、ショートケーキ好きって言ってたの覚えてくれてたのかな?イチゴたっぷり入ってるわ
「美味しい」
「そうはよかった」
「うん。また作ってね」
「ああ」
そういってクラトスさんが私のほうに手を伸ばしてきた。ほっぺたを触ったクラストさんの手には生クリームがついていて、あろうことかそのまま指についた生クリームを自分の口に運んだ
「く、クラトスさん?」
「ん?何だ?」
「何だじゃないよ!もう恥ずかしいって!」
「そうか?誰も見てはいないぞ」
「そういう問題じゃないって!」
怒っている私を見てクラストさんは笑ってる。何でこの人は素で恥ずかしいことするかな普段はクールなくせに。私がそんなことを考えているといつの間にかクラストさんの顔が目の前にあって・・・
「ん、ふ・・・」
「・・・甘いな」
「や、いきなりキスしといて感想はそれですか。しかもケーキ作ったのはクラトスさんじゃんか」
「そうだったな。だがこんなものよりのほうが甘いとおもうが?」
「っ!・・・」
絶対今日のクラストさんのほうが甘いと思うよ。行動も話も甘いし匂いも全部、ね
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2007/7/1
お題配布:byL*W