01.龍+虎=やくざ?





「うっ・・・・にぎゃーー!!!」

「・・・うるさい。ってかいい加減慣れろよ。これ何回目だと思ってのか」


例のごとくまたまた落ちている途中のちゃんですっ
や、だってね・・・寝てるトコだったんだもん!目が覚めたらいきなり外にいるってかものすごい高度から落ちてたら誰だってビックリするよね!?マジで!
もっとこう、心の準備ができるように先に合図があってもいいんじゃないかと思うこのごろなのでした。


「うはー・・・で今度はどんな世界なんだろうね?」


地上に着いたところで一息つき、思考回路がまともに戻ったところで今度はどんな世界のなのか気になった。
私は落ちているときに態々下を見て考え事をしている余裕なんてまったくない。そもそも、極普通の視力(両目ともに1.5である)なので高度何千メートルという場所から下を見て個別判断なんて出来やしないのだ。


「さぁな、あーでも上から見てた限りじゃ戦争?紛争?つーか、戦っぽいのがあったな」

「戦?最悪じゃん。あんまり危ないとこ近づかないでおこうね。それにしても、戦って古めかしい言い方だなー」


何で戦争や紛争から言い直して戦なんだ?戦って昔の日本じゃあるまいし。


「そ、まさに戦って感じだったぜ。合戦って言ってもいいけど場所はここからは結構離れたから大丈夫だろ。」

「よかった。あー戦国時代みたいな?」

「鎧着て、馬に乗って、刀とか持って戦ってたからな」

「まじですか」


何で、こうー行く世界行く世界危険なとこが多いんだろ?私は、もっとこう平凡にのんびーりダラダラ過したいのに。
まぁ、来ちゃったものはしょーがない。開き直って楽しむことにしよう!


「それにしても、そういう世界ってことはこの服装はきっと目立つよね」

「そうだな。この世界のやつらじっくりと見たわけじゃないが、たぶん浮くだろ」

「錬金術で変えるにしても、とりあえず見本ないとどういう服にしたらいいかわかんないや」

「適当に着物とかその辺でいいんじゃないか?戦国っぽいし」

「適当め。・・・じゃ、一応着物で」


こういう時、他の世界で覚えてきた特技って便利だなって思う。他にも色々覚えたし、それに結構強くなった。武器だって扱えるようになったしね。
頭の片隅でそんなことを思いながら、魔法でミニサイズにして首から提げていたトランクから予備の服を出した。自分の胸辺りで両手を合わせ、地面に置いた服の上に掌を置くと、ピリッと電気が走り一般的なワンピースが着物に変わる。


「お見事」

「とーぜん。錬金術覚えてどのぐらいだと思ってるのよ」

「確かにな。んじゃ、俺のもたのむ」

「オッケーっす」


先ほどと同じことを繰り返し御華くんの服も変えて、その辺の茂みに入りお互い服を着替えることにした。


「どう?」

「似合ってるんじゃないか?」

「ぶー、もっと褒めてよぉ」


今私が着ているのは、山吹色に深緑で柄が入っている着物だ。自分的には上手くできたと思っている。
ついでに、御華くんの着物は濃紺に背中に龍と虎を背負っている。あー・・・自分でやっといてなんだけど、やくざっぽいなー


「どう?似合ってる?」

「可愛い日本一キャーすてき―」(ビバ☆棒読み)

「もういいもん・・・で、これからどうする?町でも探す?」

「うそうそ、ちゃんと似合ってる。そうだなーあっちのほうに町か村かよくわからんがあったぞ」


そう言ってちょうど私の後ろの方に向かって指をさす。


「どのぐらい?遠い?」

「いや、そんなに離れてなかったと思う。歩いて10分かからんだろ」


人がいないと話にならない。ということで仲良く二人連れたって町か村かに向かって歩く。
御華くんの予想通り約10分ほどで村に着いた。規模としては少々大きな村というとこで、活気にも満ちている。
その中で私たちの姿は浮くことはなかったので、着物を選択して正解だったようだ。


「おじさーん。ここなんていうところですか?」


適当にその辺で商売しているおじさんに場所を聞いてみる。
聞いてもたぶんわからないだろうけど、今自分がいる場所くらいは把握しておきたい。
まぁ、要するに情報収集だ。


「なんだお嬢ちゃんらはここがどこだか知らねぇできたのか?」

「まぁな、適当に気の向くまま旅してるもんで」

「そんなわけで場所聞いてるんすよー」

「そおかい、ここは甲斐だよ甲斐。武田信玄様の治めなさる土地だ」


武田信玄。・・・聞いたことあるような?んー・・・


「へぇ、武田信玄公ねー」


どうやら、御華くんは武田信玄たる人物を知っているらしい。誰かさっぱりだ。っていうか、初めてこの世界に来たはずなのに知っているってどうゆうことなんだろ?只の同姓同名とか?よくわかんない・・・


「どうもあんがとさん。ついでにここから躑躅ヶ崎館までの道教えてくんないかな?」

「あんたら、信玄様のとこに行くきかい?」


えっ躑躅ヶ崎館てどこですか?その武田信玄さんの住んでるところみたいな話だけど、なんでそんなとこ行くの?
質問したいけど話の腰を折れないので必死で我慢してます。
そんな私を外野に御華くんは行きかたを聞き、他にも色々質問しているみたいだ。


「助かったぜ、礼を言う。どうもなおやっさん」

「おう。またなんかあったら来な」


話が思ったようで、私も慌ててお礼を言い別れた。


「それで何かわかったの?」

「まぁな」


御華くんはニヤっと、それちょっと悪者っぽい顔といいたくなるよな表情をした。


「俺は最初、俺らの世界の過去かと思ったんだが違うみたいだ。歴史で習わなかったか武田信玄って?」

「んー聞いたことある気がするんだけど習ったかどうか・・・」

「とりあえずその武田信玄って言うやつは俺らの世界でも名前が残ってんだよ。もちろん人間界のだけどな。それで戦国時代かと予想をつけてたわけなんだが、ところがどっこいここには織田信長や伊達政宗、豊臣秀吉他にも有名武将が勢ぞろいしてやがる」

「それが何かおかしいの?織田信長とかだったら私でも知ってるけど」

「ほんとに知らねぇんだな・・・まぁ、いい。それで何がおかしいのかといえば、生きてないはずのやつがいるとかそんなんだ。こんなに強力な武将どもが同じ時代で生きてんだ相当天下取りは難しいだろな、どちらさんも」

「ふーんそんなもん?それはいいんだけど、何で武田信玄のとこ行くの?」

「見てみたいから」

「は?何そのミーハー根性。だいたい御華くんって元も世界いた時に見れたんじゃないの、長いこと生きてるんだから」

「おう、そらーあるけどな。だから元の世界とどんだけ違うか見に行くんだよ」


なんだその理由。私に取ったら全くどうでもいい話だ。
御華くん変なとこでこだわるのはいい加減してよーいい迷惑!




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後書き
武田が好き!ゆっきーとお館様に交じって殴り愛をしたいイチでした(マジっすよ)ついでに佐助に世話焼かれたい・・・
けど実はコタが一番好きvv


2010/1/17