01.答えは全て善処します。自分に非がなくても思わず謝ってしまいます。日本人ですから!
はい、今回も相変わらず落ちているちゃんでーす。
お隣にはこれまた相も変わらず落ちている御華くんでーす。
二人合わせて人生真っ逆さまどん底までゴー!コンビでーす。
「最悪なネーミングセンス。やりたいんなら一人で頼むは」
「冷たいーちょっと現実逃避してただけだし」
「現実逃避ねぇ、じゃあそのなりの小さいのも現実逃避の一環か?」
ん?なりが小さい?私の体が小さいと言いたいのですか御華くん。
確かに私はあんまり発育がよくなく、しかも外国人からみた日本人って幼く見えるらしく、よく1年生とかに間違われたけど今さら言うようなことじゃないよね・・・
「お前10歳ぐらに戻ってんぞ」
「・・・・・・・はぁー!?」
自分の手を見ると小さい。紅葉のようなとまではいかないけど、今まで見てきたものより格段に縮んでいる。
恐る恐る体にも目線をやると、がんばって成長したはずの身体はなく見事に幼児体型(成長しても幼児体型だったけどなby御華)だった。
「な、何でぇ?私ちっちゃくなっちゃった!?」
意味分からなすぎて半泣きになっていた私に御華くんは声をかけてきた。
「悩んでるとこ悪いが、そろそろ地面だぞ」
「ノー!御華くんヘルプ、ヘルプミー!!」
「あいよっ」
私を抱きかかえたと思ったら、軽やかに地面に着地。
前回と同じように人間離れした(妖怪だった・・・)所業に拍手を送っておいた。
「で、何で小さいんだ?」
「そんなん私が知りたいよ!特に変な呪文とかかからなかったし、怪しいものも食べてないよ」
「サラザールもリドルもお前にはそんなことしねぇだろうし・・・まぁ、そのうち何とかなるだろ」
「他人ごとだと思って!」
「そんなこと言っても原因がわかんなねぇんじゃしょうがないだろ?そのうち何とかなるかもしれないし、元に戻らなくても、ほっとけば成長するだろうしな」
「確かに理由わかんないねーでもいきなりちっちゃくなると色々不便・・・」
手とか足とか短いから自分の思った通りに行動できないというか、リーチが短い!
おかげでさっきからちょこちょことこけそうになったりする。その度に御華くんが助けてくれてる。(また泣けてきた)
「それにしてもここどこかな?ジャングルっぽい」
「確かに猛獣とか出てきそうだな・・・」
二人して周りをキョロキョロ見回していたら、ジャングルという場所に相応しそうな生き物(具体的には基本虎っぽいんだけど何かでかい、しかも牙長い・・・)が出てきた。
『ギュアァーー』
「きゃー!!」
「何だあれ」
「違う!今そんな反応してる場合じゃないって、ここは逃げるとこだよ!!」
「ただの畜生相手に何で逃げなきゃいけねぇんだ?」
この妖怪野郎が!こんなん逃げるに決まってるし!!
大きい虎、略して大虎はこっちを餌と認識したのかよだれを垂らして襲いかかって来た。大きいくせに動きは俊敏であっという間に私たちの目の前まで迫っいる。
私は食べられると観念しかかった時、直線的にこっちに向かっていた大虎は行き成り真横に方向転換した。ではなく、吹っ飛ばされていた。そして今まで大虎がいた場所におじいさんが立っている。何て言うか、一言で表していいならご老体。もう一言付け足すとしたら介助しましょうかご老体さん。みたいな?よぼよぼってわけじゃないんだけど見た目完璧おじいちゃんだから、今の出来事を信じたくないって言うか・・・虎を吹っ飛ばしたの絶対このおじいちゃんだから・・・
「大丈夫かお前さんたち。と言うか余計なお世話じゃったかな?」
「ああ、余計な世話だったな。けどまぁ礼ぐらい言っとくわ。が」
「・・・って私かよ!こんなとこでボケんでいいわ御華くん!!―――取り合えずおじいさん、助かりましたありがとうございます」
まったく!どんだけ余裕なんだよ御華くんは!私には余裕なんていう高等なもの全く存在していないというのに!
大虎ちょー怖かったんだからね。このおじいさんが助けてくれてよかったけども。
「ほっほっほっほっほ、愉快な奴らじゃ〜。さて、と御華と言ったか?お前さんら何者じゃ?ここは立ち入り禁止区域のはずだが」
今まで私たちのやり取りを面白そうに見守っていたおじいちゃんの目が怪しげに光った気がした。
それに何か得体のしれないプレッシャーを感じて思わず私は一歩後ずさるが御華くんは新しいおもちゃを見つけた子供のような、もっともそんな純真さはなくもっと邪悪な感じで笑った。
「あんたこそ何もんだ?只の年寄りってわけじゃなさそうだなぁ」
何でそこで更にケンカ売るような真似するのかな!?
小市民の私にはまったく理解できないよ!
「ふむ、まぁ只の年寄りってわけではないが、特に気にせんでもええぞ」
「そう言うわれると余計気になるだろ。―――そっちがその気なら俺らも只の通りすがりの一般人だから気にすんな。つーことになんな」
「ふむ。なかなか面白い青年じゃ。確かにそう言われると余計気になるのぉ。それじゃあお互い自己紹介といこうか」
さっきから感じていた得体のしれないプレッシャーはなくなり、おじいさんと目が合うと笑われた。
「驚かしてすまなかったの、お嬢ちゃん」
「あ、いえ、すいませんです。はい」
「何でお前が謝ってるんだよ」
おじいちゃんに謝られたら反射的に謝りかえしてしまった。すると、御華くんに呆れられていた。
私、小心者で根っから日本人体質ですか!って心の中で言いかえしておいたら、何か雰囲気でだいたい伝わったらしい。そんでまた呆れられた。
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後書き
原作どこから入ろうかなー
20100509