05.同居人もとい家族が一人増えました
「サラさーん。お願いあるんだけど・・・」
「どうした?何か欲しいものでもあったのか?」
「うん。物じゃないんだけどねーいいかなー」
「あぁ、また犬でも拾ってきたのか?」
「御華くんは黙っててね。えっとねー犬じゃないの」
「猫か?」
「人間」
「おいてあったところに戻してらっしゃい」
「だから御華くんには聞いてない!サラさんお願い!」
呆れた目で見てくる御華くんはムシして、サラさんに一生懸命頼み込んだ。
そしたら、とりあえず事情を話せと話だけでも聞いてくれる態勢になったので、門のとこらへんで待っているリドルくんをつれてきて今までの経緯を話すことになった。
「かくかくしかじか―――・・・という訳でリドルくんも一緒に生活したいと思うんですがどうでしょう?」
「・・・リドルとやら、お前はどうしたいんだ?の話はわかったがお前の意見は聞いていない」
「僕は・・・できればと一緒がいいです。孤児院はあんまりすきじゃない・・・」
「そうかわかった。どうせ広い屋敷だ。部屋も余っているし一人ぐらい増えてもなんともないだろ」
「ほんと!?サラさん本当にいいの?」
「ああ、いいさ」
「よっしゃー!やったねリドルくん!」
「本当にありがとうございます!もありがとう」
「御華くんもいいよね!?」
「おぉいいんじゃねぇか?ただし自分で拾ってきたものは自分で面倒見ろよ」
「もぉ!犬や猫と一緒にしないでよ!」
そんなこんなで広いお城に、一人同居人が増えました。
やっぱり、私の知り合いの美形率は高いよ!ちゃくちゃくと増えて行ってる気がする。
「あのー本気でしょうか?そのー・・・言いにくいことではあるんですが、トムは問題をよく起こしますので・・・」
「いえいえ、私はトム君がいいのですよ。うちの妹とも気があっているみたいなので是非お願いしたいんです」
この会話をしているのは、見た目だけは紳士で何十にも猫をかぶった御華くんだ。私はと言うと見ていて笑いをこらえるのが精一杯だった。
「はい。園長先生、私はトムくんがいいんです。お友達になったの、だからお願いします」
「そうですか・・・わかりました。では、こちらで手続きをどうぞ」
孤児院の園長先生はあんまりいけすかない感じのおばさんだった。リドルくんを汚いものをみるような目で見るし、こちらがお金持ち(サラさんがアホみたいにお金持ちだった)だと思って他の優秀な子(園長さん談)を進めてくるんだもん。
何でも、リドルくんの周りではへんなことが良く起こるとか、日常茶飯事に問題を起こすとか、とりあえず色々言ってきたのを御華くんは笑顔でスルーし何とか手続きまでこぎつけた。
「それではトム、問題を起こしてはいけませんよ。いい子でいるのですよ。わかりましたか?」
「はい」
「ありがとうございました。トム君行こうか」
「はい!」
孤児院に園長先生が入っていって姿が見えなくなると、私はそっちに向かって思いっきり舌を出したやった。
「いーっだ!リドルくんはあなたなんかに言われなくてもいい子だもんだ!」
「、アホっぽいぞ」
「別にいいいもん。御華くんの猫っかぶりに比べたら全然ましだし」
「お前なー誰のために俺がこんなことしてんだと思ってんだよ」
「すいません。僕のせいですよね・・・」
「あーリドルのせいじゃないから。が全部悪い」
「なー!!悪いって何さーそら、これは感謝してるけど・・・御華くんありがと」
リドルくんを引き取るために保護者が必要だから、急遽御華くんになってもらってついでに私はその妹になってみた。
本当はサラさんになってもらおうかと思ったんだけど、お城から出られないから却下された。
「おぅ。―――それから、リドル敬語やめれ。もっと気楽にいこうぜ」
「そうそう。そんな畏まらなくていいよ」
リドルくんは御華くんとかサラさんに対しては敬語で話していた。私には最初から普通だったけど、やっぱり大人の人っぽいのには遠慮しちゃうのかな?
それからリドルくんのフルネームはトム・マールヴォロ・リドルって言うことがついさっきわかった。私はリドルって言うのが名前だとばかし思っていてそれでインプットしちゃったよって言ったら、名前あんまり好きじゃないからそれでいいよって言われた。
名前好きじゃないんだーきっとリドルくんは、自分の中に色々溜め込んでいるんだろなーって思う。
いつか話してくれる時がきたらいいな。
「・・・うん。わかったミハナさん」
「それから、別に呼び捨てでいいから。はもう癖らしいいから気にするな」
「そうなの。何か敬称つけないと落ち着かなくて」
「じゃあ、ミハナ。もこれからよろしくね」
「うん」
「おぅ」
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後書き
2008/3/28