01.(たまには落下せずに)主人公登場(な時があってもいいよね)









落ちてない?はて、何でだろう?そもそもここどこですか?
今までの経緯なら絶対空から自由落下しているはずなのに・・・好きでしてるわけじゃないけどね!
地面についてるわけじゃないのに落ちてるわけでもない。変な空間に浮かんで漂っているようだ。


「変なとこだね。落ちてないし」

「んー・・・あっちの方に何かの気配あるな」


振り向いて御華くんに話を振ってみると、私の話を聞いているのかいないのか生返事を返し、向う(さっきまで私が向いてた方)を指差した。
あいにく私の目には何も見えないし、何かの気配って言われてもこの場所自体おかしいのでその気配を上手く探ることも出来ない。


「何か気配って人間じゃないってこと?」


別に人間じゃなくてもいいけど、変なものとか危ないものとかはノーサンキュー。


「わかんねぇ。でも、嫌な気はしない」

「じゃあ行ってみる?ここで漂ってても仕様がないし」

「そうだな。何かあったらヤればいいだけだろぉし」

「なんて物騒な思考なんだ・・・(知ってたけど)」


一応、御華くんのヤればいい発言につっこんでから、何やらの気配があるというほうに向かって歩いていく?ってか泳いでいく?
周りの景色が定まらない所為で、自分がどのぐらい進んでいるのかわからないというのも結構しんどいものだ。


「人影?」

「形は人っぽいな」


私たちの前方に、御華くんが探っていた気配の持ち主の姿が見えてきた。
二人?んー・・・三人?
近づくにつれて姿形がはっきりしてくる。一人は長髪赤髪で男。もう一人も赤髪だけど色はすこし薄い目で短い男だ。この二人ははっきり認識できるのに最後の一人がよくわからない。かろうじて人の形をしているが、時々ぶれる。ふっと形が崩れたり、向こう側が透けていたり、要するに幽霊なのかなアレ?


「あの変なのなんだろ?御華くんわかる?」

「わからん。けどアレは生き物じゃねぇな。―――力の塊かそれに類ずるものか」


力の塊、もしくはそれに類ずるもの。ねー


「例えば魔法で作られた記憶とか?もしくは念?」

「んー何か違うんだよなー・・・もっと純粋に力の塊っぽい感じすんだよ」

「うぅー・・・何かよくわかんないけど、人の形してるんだし話通じるんじゃないのかな」

「さぁどうだろうな」


御華くんは口の端を片方だけ吊り上げ、何か悪いことでもたくらんでるようにわらっている。


「おっ、向うさんもこっちに気付いたらしい」


最初に幽霊モドキがこっちに気付いたようで、私たちの方向を向いた。それに釣られて赤髪二人もこっちを向く。
ん・・・双子ですか?顔そっくりなんですけど。


『あなた方は・・・』


声が聞こえた。たぶん幽霊モドキの声だと思うのだけど、聞こえると言うよりは頭の中に直接響く感じだ。


『あなた方はどうしてここに、いえどうやってここに来られたのです』

「どうやってって、気がついたら?」

『そうですか・・・ここは普通の人は来られない場所なのですけど、あなた方は何か特別な力があるようですね』

「まぁ、あるっていやぁあるなー」


(確かにいろんな世界回ったおかげで、特殊能力は色々付加させてもらってますけどね。)

御華くんははぐらかすように適当な返事だけを返している。私はというと心の中だけで好きに答えている。
まだ、敵か味方か、相手がどうゆう存在なのか解らない状況で自分たちのことを教えるのは早計というものなんだろう。

まずは相手の意思を確認し、どうするか決めなきゃいけないみたいです。(人間もどき+赤髪の双子もね)





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後書き
変換なし!

2009/10/17