*偽名に苗字使用しますので名前変換の苗字を彩雲国っぽいものしたほうがいいかと思われます。
06.天地がひっくり返ることも偶にはあるかもね
・・・ムシしてもいいかな?いいよな?うん、いい!
「ご、後生ですから引き受けてくださいませ!!」
引っ付くな!いい大人が泣きながらすがり付いてくんな鬱陶しい!しかも野郎なんて嬉しくもなんともないは!!
何でこんなことになっているかといえば、うろうろ目的のない旅をしていたら貴陽周辺で知らない男に泣きつかれたのだ。
ん?貴陽?そういえば龍蓮に貴陽に近づかない方がいいとか言われたような・・・って俺、何ですっかりポンと忘れてんだよ!思いっきり龍蓮が言ってたじゃん「めんどうなことになりたくなければきようにちかづくな」って!!
面倒なことってこれか!?あぁ、俺のバカ野郎!俺の脳細胞のバカ野郎!!
「お願いです!どうか!」
で、こいつが言うことにはどうも俺に会試のための予備宿舎第十三号棟の監督をして欲しいということだった。
何と実は俺、官吏だったのだ。雪たちが官吏になった時に一緒になっていたのだが、俺は藍姓ではなく偽名で下っ端幽霊官吏をしている。何故かというと、俺は別に官吏に成りたかったわけじゃないのにあいつらが勝手に「私達がなるんだからも当然だよね」とか言って問答無用で連れて行こうとしたから、偽名で下っ端官吏という条件を出した。藍姓でしかも直系じゃ下っ端なんて普通に考えて回されるわけないし、だからと言って俺はそんな偉い立場で仕事なんてやる気ないから偽名でお願いしたわけだ。しかも、全然仕事なんてしてないけどな。名前があるだけの幽霊官吏。仕事しないで放浪中っていいな☆
雪たちが当主となって藍姓の官吏を引き上げていったけど、偽名の俺は藍家とはまったく縁も所縁もないはずだから引き上げリストには載らなかったし、仕事してないしどうでもいいんじゃない?程度で放っておかれた。
それでだ、俺に寮監なんて仕事がなぜ回ってくるかというと、実は礼部所属だったりする。
下っ端も下っ端で幽霊官吏な俺に仕事が回ってくるなんてどんだけ人不足なんだよ・・・戸部じゃあるまいし。
つーかさ、よく俺なんか見つけられたなとか幽霊官吏になんかなんでそんなに必死に頼んでんだよとかいいたいことはまだいっぱいあるけど、とりあえず一言。
「いい加減離れろや鬱陶しいんだよ」
只今の現在地→呪の館もとい予備宿舎第十三号棟
「官吏ここです」
うん。呪われそうだ。ってかこの建物は絶対に何か住んでいるに違いない!
何で、こんなに御札とかべたべた貼ってあんだよ。安産祈願とかまであんのが意味わかんねぇ
「やっぱ、帰る」
「官吏ぃ〜・・・私、あなたに逃げられたら首を吊るしかありません」
・・・正直どん引きだ。何で俺に逃げられたら首吊るんだよ!
最初からわかっていたことだが、ぜってぇ最悪な仕事だろう。
「はぁーここまで来たら仕様がないな、行くか」
あーでも、後ろの方で俺が逃げないかめっちゃ見張っている官士はマジ鬱陶しい。
突き刺さるほどの視線を背に呪いの館ならの呪いの宿舎に入っていった。
入ってすぐの当たりに杖を突いた男がいたので、自己紹介して寮監の部屋を聞いた(俺をこの建物の前まで案内してきたやつは死んでもこの中には入りたくないとかぬかしやがったからな)のだけど、何でか哀れみに満ちた目で見られた。
「あなたが新しい寮監の方ですか・・・ご苦労様です。私は鄭悠舜といいます。どうぞよろしくお願いします官吏」
「うわー何か微妙に引っ掛かるあいさつだな。それとでいいから」
「わかりました。ではと呼ばせてもらいます」
「おう、そうしてくれ」
それにしても引っ掛かる。ご苦労様って俺まだ何にもしてないし
今さらだけど、この仕事引き受けたの早まったかもしんない。ほんと今さらだけど・・・
俺と悠舜が挨拶をしていると俺の後ろの方から怒鳴り声と二人分の足音が近づいてきた。
「お前はなぜいつもいつもそうなんだ!いい加減自分の分担ぐらいはきちんとしろ!」
「君は私の親切心がわからなのか?あれは君がもっとうまくなるようにやらせてあげているのに」
「黎深!自分の仕事を押し付けて、さらにやらせてあげているとは何事だ!!だいたい、お前に親切心なんて言うものが存在しているわけないだろう」
・・・黎深?まさかなー・・・あいつがこんなところにいるけないんだから同名の別人だ。
あいつが官吏なんかになろうなんて天地がひっくり返っても思うわけないって
騒がしく話す二人がどんどん俺たちの方に近づいてくる。後10メートルほどという所でやっと俺と悠舜に気付いたのか話し声がぴたりとやんだ。
俺は自分に気合をいれ振り向くと
「まじかよ」
「ん?じゃないか。何で君がこんなところにいるんだ」
あー天地がひっくり返った・・・
つーかさ、お前の方が何でこんなとこにいるんだよ。邵可殿関係か?それ以外思いつかんな、こいつがこんなところにいる理由。
後、その隣のやつなんなわけ?対生き物専用生物兵器なのか?だっておかしくない!?俺とついてるパーツは一緒のはずなのにもう全然レベルが違うというか、比べるのもおこがましいぐらいの美貌って!!(心の叫び。by俺)
「黎深と知り合いだったんですか?」
「あー・・・うん。たぶん」
微妙な空気が俺たちの間を通り抜けていった。
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後書き
悪夢の国試組とーじょーですvv
2008/10/11