07.ご飯作る側としては何でもいいって言うのが一番困る。
「お前らいいかげんにしろ。ここ一応会試の予備宿舎だから、もうちょっと受験者らしくしろよ」
今まさに、俺の目の前で騒動と言うか悪ふざけの類を起こしている(被害者も含む)やつらに向かって言い放った。
すると天女の再来かと疑うほどの、もはや人族にあるまじき美貌の持ち主が眉の間にしわを寄せて何か言いたげな顔をする。(どんな表情してたってキレーなもんはキレーだけどな)
「私は巻き込まれているだけだ。こちらも迷惑している」
「・・・それもそうだな。じゃあ前言撤回。黎深いい加減にしろよ、さもないと邵可殿に悪行の数々いいつけるからな」
主に問題を起こすのは黎深で、それを面白がったり煽ったりするのは飛翔だ。鳳珠や悠舜、文仲は巻き込まれてるだけというのがほとんどだ。まぁ、鳳珠は顔がもはや凶器なので問題を起こしているといえば起こしているけど、意図して起こしているじゃないし、そのせいで集中できないやつらは所詮そこまでってことだろう。文仲も顔って言うか纏っている雰囲気のせいで幽霊と間違われたりして事件起こしてるって言われればそうだけど、そんな大問題じゃないし、ちゃんとみれば生きた人間だってわかるからな。悠舜は立派な保護者だな。俺の代わりに予備宿舎の責任者もしてほしいぐらいだぜ。大丈夫、悠舜なら責任者しながらもきっと状元及第できると信じているから!
「!しょ、邵可兄上に言いつけるなど卑怯ではないか!!」
「だってぇお前俺が言ったぐらいじゃ聞かないからなーこうするぐらいしか止める方法わかんねぇよ」
先ほどまで高笑いしていた黎深が『邵可』の一言で必死に言い訳する子供の顔になった。
相変わらず重度のブラコンだ。ほんと邵可殿は偉大だと実感する出来事である。
「まぁまぁ、黎深も反省してると思いますのでこの辺で許してあげてもいいのでは?」
「そうだな、反省はしてないだろうけどこれ以上やると拗ねるからやめとく」
拗ねた黎深は手に負えなくなるので程ほどのところで切り上げておくのが妥当だ。(普通のときも手を焼くけどな)
「今回のことも邵可殿には黙っておくけどあんま他の受験者に迷惑かけんなよ黎深」
「ふんっ」
うん、やっぱり反省ないいてしてない態度。あからさまにそっぽを向いて不機嫌を表している。
「さて、話も一段落ついたことですし仕事を再開しましょう。黎深と鳳珠は洗濯を、文仲とは食事の用意をお願いします。私と飛翔は部屋の掃除をします」
「何故、また私が黎深となんだ!?」
「皆公平に周ってますよ」
「・・・」
ん?何で俺ナチュラルに仕事の分担に混ざってんだ?俺って予備校舎の責任者だよな??おかしくない?ぜってぇーおかしいってっ
「あのー悠舜さん?前々から思ってたんだけど、何で俺まで?」
「あーそれはあれですよ。働かざるもの食うべからず」
・・・俺って働いてるはず・・・今、ここの責任者って言う仕事してるはずなのに・・・
「いえっさー・・・」
何か逆らっちゃいけない気がして返事してしまった・・・弱す俺
「うふふふ」と精気のない笑い声を漏らしていると文仲が心配そうに声をかけてきたので「お前の方が精気のない顔してるから」と返しておいた。
「んじゃー今日は何作るかなぁ・・・何か希望ある文仲?」
「特にはない。の作るものなら大概なんでも食べれるのでな」
「そりゃどうもって言うとこか?つーかさ、何でもいいが一番困んだよな・・・んー」
作るほうとしては何でもいいとか言うのが本当に困る。何作っていいかわかんねぇ
昨日はエビチリしたし昨々日は海鮮鍋だったし・・・何すっかなー
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後書き
文仲の話し方がいまいちわからん(T_T)
次からたぶん「地獄の沙汰も君次第」沿いになる予定っす
2008/10/25