すでに不安でいっぱいです
何やかんやであの後、結局私が異世界?から来たという事で落ち着き、行く当てもないのは必然でさてこれからどうしようかと途方に暮れているとセバスチャン(自己紹介しました)が色々質問してきた。
「料理はできるか」「掃除は」「あと何よりも重要なのは何があっても続けられる度胸があるか」などなどまったく意味がわからん。で、とりあえず料理や掃除は前から普通に私の仕事だったので出来ますと答えて、続ける度胸?とかハテナをとばしながら度胸がなけりゃ忍びなんかできないのでそれもあると答えておくと、「では、採用だ」この一言でこの世界での受難が決まったのであった。
「とりあえずこの物体を集めてちょうだい」
ツネッテについて仕事を教えてもらうことになった私がしたことといえば、この世界に来た元凶ともいえる物体(あんなのを人間とは私は絶対に認めないからね!)ヘイヂの皮集めで、その辺中に散乱というか脱ぎ散らかされている皮を拾って歩くことだった。
「うぅ〜何か動いてるし・・・気持ちわる」
「ふっ・・・こんなもの慣れよ・・・」
哀愁を漂わせながら遠い目をしているツネッテを見ると仕事場所を間違えたかもと思わないでもない。
少しの後悔と大きな不安を胸に私はある意味18禁の物体を拾って歩いているわけだが、この屋敷はカラクリ屋敷か!しかも凶悪な!!と叫びたくなるほど仕掛けがあった。
2、3歩進めば落とし穴か地雷があり、この家の主人の部屋の前を通りかかれば何故かいきなりドアが吹っ飛び中から鎖付きの鎌が私の鼻の1センチ前を飛んでいったり、どこからともなく嫌な気配(瘴気ともいう)が漂ってきたりした。
普段から自分の(前の世界の)主人の殴り愛とか大声とか奇行とかで結構何があっても驚かないと言う自信があったが、まだまだ甘かったと再認識しているところだ。
「あのですねツネッテ、この世界じゃこういうのが普通、一般的なんですか?」
「・・・・・・・・・・・この屋敷の中じゃ常識よ」
「(沈黙多!)って言うことは他じゃ常識じゃない、と」
「こんな所ばっかりだと世界が破滅しているわ!まったくヘイヂとヘイヂとかヘイヂのおかげで新しい使用人が入ってもすぐに辞めてしまうのよ!この広い屋敷を私たちだけで掃除するのがどんなに大変だったか!!」
「(ヘイヂの他にも原因あるような気がするけど・・・)そ、そうなんですか」
「旦那様も旦那様で窓をピッカピッカに拭いてもその次の瞬間に私の努力の結晶を粉々に爆破とか日常茶飯事なのよ!Aなんか四六時中セバスチャンセバスチャンって役に立たないし、それから――――――」
延々とツネッテの愚痴を聞かされて辟易としていてたけど、やっと開放されたのはそれから30分ぐらいたってからだった。
「!だからね彼方が入ってきてくれて凄く助かるの、だから辞めるとか言わないでね!!」
「(何か、もうすでに辞めたい気分でいっぱいいっぱいなんですけど)はいぃたぶん・・・」
「絶対に!!」
「(顔近い目怖い!)はいわかりました!」
そこまで必死に引き止められたら逆に不安が募ります。ああ私どうなっちゃうの!?ここでやっていけるのか私!?
<<back
■
next>>
後書き
デーデマン家は今日も相変わらずです。さてさてこれからどうなるんでしょうね(私もわからん!!)
2007/10/3