気分は不思議の国のアリス






「それにしても今日も疲れたわ〜」

「本当に。まったく旦那様はいい加減、お屋敷を爆破するのは止めてもらいたいです」

「もぉ俺死にそう〜」

「A、お前今日も落とし穴に嵌ってたからな」

「そういえばAさんよく嵌りますよね」

「俺だって好きで嵌ってるわけじゃなーい!!」

「好きで嵌ってたらMよ。M」

「ツネッテ!?」

「(AってMっけあるもんねー)」


使用人4人で休憩中だ。話題はもっぱらBの失敗談できりがないほど出てくる。
そう言えば飲み物が何もないのに気付き淹れてきますとコーヒーメイカーが置いてあるところまで行ったらヘイヂがいた。


「あれ?ヘイヂじゃありませんか。何をしてるんです?」

「あ?いや俺もコーヒーを飲もうかと思ってな」

「そうですか。では私たちの分を入れるついでに淹れましょうか?」

「だが、気分が変わったから俺はもう行くぜ」

「は?」


何をしにきたのかヘイヂは言いたいことだけ言って去って言ってしまった。ヘイヂのことなんて考えてもわからないのでまぁいいかーと4人分のコーヒーを淹れみんなのところに戻ると、話題は最近のセバスチャンとか訳の分からないものになっている。(ほらーBも呆れてるじゃん)


「はい、みなさんコーヒーですよ」


コーヒーを各々の前に置いて自分も席に着きコーヒーを一口。


!!?」

「ん?あれぇ?」

「ちょ、な、何でだ!?」

「俺セバスチャン呼んでくる!」


飲んで一息着いたら縮んでいた。自分で見える部分を観察してみるとせいぜい5、6歳ぐらいの大きさになっていると確認できた。
何でだ?このコーヒーのせいか?ありえない。飲むときに変なにおいも味もしなかった。昔っからの習慣で毒入りかは確認したのに引っかかってしまうなんて・・・このことがオレンジ色のお気軽でも苦労人な上司にばれたら絶対お仕置きされるな・・・


「・・・本当に縮んでいるな」


思わず突発的な出来事に対応が追いつかず、混乱の渦に嵌り思考に没頭していると、いつの間にかセバスチャンが来ていたらしく私を見て感心?している。たぶんAの説明じゃ何が起こったのか分からなかったのだろう。


「せばすちゃんどうしましょう?」

「・・・ヘイヂ」


私の問いかけに一言呟いたかと思うと、懐から取り出した銃を壁に向かってぶっ放した。崩れた壁から穴だらけのヘイヂが姿を現しニヤっと笑った。


「ふはははは・・・改良バージョンなんだがどうだ?よくできてい『ばこっ!!』」


ヘイヂの顔面に鎖付きの鎌を投げ壁に貼り付けたのは、いつも通りセバスチャンだ。


「ヘイヂ今すぐ解毒剤を出せ」

「ふっ、前にも言ったと思うが俺の作るものに間違えはない!故に解毒剤など存在しない!!」

「へいぢぃおねがいですからげどくざいつくってくださいよーわたしこのままじゃこまります」

「俺に物を頼むということはそれなりの報酬が必要ということだが・・・お前は代わりに何を差し出す?」

「かわりっていわれても・・・もともとへいぢのせいじゃないですかぁ・・・」

「交渉は決裂だな・・・―――では、さらば!!」


言うのが早いか、ヘイヂはいきなりすぐ近くの壁に突っ込んでいった。普通なら壁に激突して終わりなのだが、デーデマン家の壁にはヘイヂの巣穴帝国(野望は現在も進行中??)という恐ろしいものがあり、それれをつかって逃亡を図った。
かく言うセバスチャンも、そう易々とヘイヂを逃がすはずもなく2人の命がけの鬼ごっこが開始する。(まぁ、日常のことだけど・・・)


「ねぇつねって、わたしっていつもどれるんだろ・・・」

「そ、そのうち戻れるんじゃないかしら??」

「そうだぞー俺だって無事戻れたんだからな。だってその内戻るだろ」


意気消沈した私は、ツネッテになんとなく疑問をぶつけていたらいつの間にかデイビットさんがいた。
デイビットさんは相変わらずの癒しオーラーを撒き散らしながら、楽天的なお言葉を下さったのだ。


「それはそうと、その格好はどうにかしないとな」


デイビットさんはそういうと私のほうに視線をやる。
・・・ところで、入り口のドアがいきなり開いた。


「その心配はご無用!!これを見ろ!!!」


自信満々で入ってきたのはAで、その手には子供用の服を持っている。
―――あれは絶対にヨハンさん作だよ・・・







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後書き
キャラをいっぱい出すとしゃべらないやつがでてくる・・・

2008/1/7