02.ようこそ魔法の世界へ
「誰だ!」
今までにないぐらい真剣な様子の御華くん。
相手の青白っぽい人は気配というものがまったくなかった。気配を読むのが苦手な私が気付かなかったのはいいとしても(全然良くねぇよ!by御華)一応S級妖怪の御華くんが気付かなかったのはありえない。
「お前たちこそ誰だ。ここは私の城だが?」
「勝手に入ったのは悪いと思ってる。だが、お前は何だ!?気配が全然ない!」
「何、か・・・私は記憶だ。サラザール・スリザリンの記憶」
「記憶?」
「ああ、ここを守るためにサラザールが残していった魔法だ」
「はっ?」
「ま、魔法!?あなた魔法使いなんですか!?・・・すっごーい!魔界には魔法使いもいるんだぁ私初めてみたよ!」
「いるわけないだろ!んなもん俺は聞いたことねぇよ」
「私は記憶だが多少の魔法は使えるぞ?それにここは魔界とかいう場所じゃない」
「えっ!?魔界じゃないの?」
「・・・なるほど。―――じゃぁここはどこだ?」
「ロンドンの郊外にある森の中だ。ただし、この当たり一帯にも魔法が掛けられているから入ってこれる人間はいないはずだ。マグルなぞもってのほかだ」
「ロンドンってイギリスのロンドン?」
「そうだ。それで、お前たちは何者だ?さっきも言ったとおり、ここは魔法使いでも入るのは至難の技だぞ。見たところマグルだろうお前たちはどうやってここに来た?」
「あーちょっと待て、俺の仮説が正しければありえないことがおきた。まず、そちらから手を出さなければとりあえずこっちからは攻撃する意志はない。どうだ?」
「不法侵入者のくせによく言うよー」
「は黙ってろ。ややこしくなる」
「はいはい」
「・・・こちらもむやみに攻撃する意志はない。お前の仮説とやらが気になるな―――座って話そう」
とりあえず両方共に攻撃の様子がないことを確認した御華くんと青白い人はピリピリした空気を納めた。
御華くんは何かわかったみたいだけど、私はさっぱり何が何かわからない。口を出そうにも、もうちょっとしたら全部わかるといって教えてくれないので黙って着いていくことにした。
青白い人が案内してくれたのは外見からは予想もできない綺麗で立派な部屋で、しかも青白い人の指パッチンで紅茶とお茶菓子が現れた。
ビバ魔法。
「それで、仮説というのは・・・」
「そんなに焦んなって。俺らの自己紹介まだだったろう?俺は御華、S級妖怪だ」
「私は南野です。ちゃんと普通の人間です。あとお兄ちゃん大好き!」
「あんま普通じゃねぇし、兄貴は関係ないだろ」
「まぁ、気にすんな」
「・・・私は先にも言ったと思うが、サラザール・スリザリンの記憶だ」
「えーっと何て呼べばいい?記憶さん?」
「サラザールでいい」
「オッケーっす。サラザールさん」
青白い人改めサラザールさんはなかなかいい人みたいだ。見た目もちょー美人だし絶対女の人にもてるだろうなー
そういや、私の周りって何気に美形率って高い?お兄ちゃんもだし、一応御華くんもだし他にも何気にクラスメートにも数人顔がいいのいるし・・・
「それで、本題だが」
危ない危ない、頭がトリップしている間に本題に入るところだった。
「たぶん俺たちは異世界から来た」
は?ワンモアプリーズ・・・異世界?そらー魔界とか最初聞いた時そんなもんあるかーとか思ったけど、さらに異世界?ありえない
「もともと俺たちは人間界というところから魔界に行くところだったんだ。人間界と魔界とを移動するには、境界トンネルというものを使わなければほとんどの者は移動できない。俺たちはその境界トンネルを偶然見つけて、せっかくだから魔界に行くことにしたんだが、穴はやたらと長いし、着いたら着いたでみたこともない場所だった。俺は妖怪だから魔界出身だ。魔界ならほとんどの場所にいったことがあって、俺に見覚えがないという時点で変だと思ったんだが、とりあえず結論を保留にして歩いていたらこの城に行き着いたわけだ。城にもしかして誰かいるかもしれないと思い中に入ったらこの状態というこった。サラザールはここは魔界じゃないって言うし、魔法なんてもんも俺は知らない。よって、ここは魔界でも人間界でもない別の場所と考えた方が正解だと思った。―――以上、これが俺の仮説と今までの経緯だ」
「御華くん・・・ただの変態さんじゃなかったんだ・・・何気に頭良かったんだね」
「、お前がどういう風に俺をみてたかよーーくわかった。次から修行倍にしてやる」
「ノー!!それはやだ!ムリだって謝るからそれは許して!!」
「・・・おい、話をそらすな」
「うぅごめんなしゃい・・・」
「確かに、その仮説は正しそうだ。お前たちがここに来る少し前に、時空が歪んだのは確認済みだ」
「なるほど・・・そこで聞きたいんだが、ここでは異世界に渡るすべはあるのか?俺の知識じゃあいにくわからねぇんだ」
サラザールさんと御華くんは私にはチンプンカンプンな話をしだしたので、ひまだ〜
聞いててもわかんないし、部屋の中には珍しいものがたくさんあったから、それでヒマをつぶすことにした。
何かやたらウネウネとひとりでに動いている植物とか、びみょーに笑い声が聞こえる仮面とか、頑丈そうな紐で縛っているガタガタと震えてる本とか色々おかしいものがある。
サラザールさんは部屋の家具とか内装はいいのに、そんな変なものばっかりあるからあんまりセンスがよいとはいえないのかもしれない。
「、帰り方がわかるまでここで世話になることになった」
「まじっすか」
「まじだ。俺たちついてるかもな、右も左もわかんねぇよな場所に来て初めて会った奴が大魔法使いのサラザールだったんだからな」
「サラザールって凄かったんだー・・・えっと、お世話になります。よろしくねサラザールさん」
「よろしく頼む」
「ああ、私もヒマだったから気にするな。居たいだけ居るといい」
ああ、やっぱりクールビューティなサラザールさんはいい人だ。
帰り方を一緒に考えてくれるっていうし、その傍らに魔法も教えてもらうことになった。御華くんには魔力はないらしいんだけど、私にはあるからついでに教えてやるってさ。
よっしゃー!!私も魔女っこだ。家に帰れたらお兄ちゃんに自慢してみてもいいかも
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後書き
サラザールさん登場です。そんでもって主人公は魔女っ子にレベルアップ!
2008/1/26