03.でんわーでんわー・・・
ふーやっと午前中の授業が終わったな
今日は確か屋上で昼飯を取るって言っていたからそろそろ行かないと藤代あたりが迎えに来てしまうかもしれないな
「根岸起きろ。授業はとっくに終わってるぞ」
「うーん、ごはぁん?」
「ああ、今日は屋上で取るって行っていたはずだ」
「そうだ!早く行こうぜ渋沢!」
「起きたとたんそれか・・・それじゃ行くか」
屋上に上がるともう他のメンバーは来ていたようでにぎやかな声が聞こえてきた。メンバーは中学からかわらない面子で食べている
三上、中西、根岸、近藤、藤代、笠井、辰巳、間宮、水野、そして俺。中学とは違うのはそこに水野が加わって外部受験をした大森がいないぐらいだった。
「ぎゃー!三上先輩ひどい!!それ好物だから最後に食べようと残してたのにー!」
「あ?知らねぇな。残してるお前が悪い」
「三上先輩のバカぁ!弁償してくださいよ!」
「誰がバカだって!?テメーにバカとは言われたくねぇよ」
「俺のエビフライがぁタクー分からず屋の三上先輩に何か言ってやってよ」
「はー三上先輩、そんなことしたら誠二がうるさくなるのわかってるんですから止めてくださいよ。こっちまで被害来るんですから」
「えっ!そっちなの!?タクまで裏切り者だー!」
傍観している俺らに気づいたようで中西がこっちに声をかけてきた。
「あれ?渋沢とねぎちゃんじゃん。遅かったね?」
「ああ、ちょっとな」
「どぉせねぎちゃんが寝てたんでショ」
「中西ひどい、なんかもう疑問系ですらないし!」
「ははは、気のせいじゃない?」
いつまでも見ているわけにもいかないので適当な場所に座ってご飯を食べはじめた。主に騒がしいのは藤代だが三上があおって余計に増長させているのを笠井や辰巳がなだめるのが何時もの風景で、他のメンバーは傍観しているかたまに口を挟むぐらいだ。そんな風な何時もの昼休みを過ごしているといきなり携帯のなる音が聞こえてきた。
でんわーでんわー・・・
結構間抜けな着メロだな
「誰だ、携帯をマナーモードにしたないやつは?」
「俺じゃないですよ」
「俺でもないねぇ」
みんな口々に違うと言い出して音の主を探してみると、どうも俺たちのいる反対の場所から聞こえてきてるようだった。
「俺ちょっと見てくるっス」
「こら藤代!」
ちょうど藤代がそう言い、飛び出していこうとした時に電話に出る声が聞こえてきた。
でんわーでん「あーもしもしぃ?」
今まで寝てました的な声で少しかすれていたがこの声は間違いなく、新任の先生だ
『よう。久しぶりだな。元気しってか?』
「・・・お前が電話してくるまでな。珍しいじゃねぇかお前が電話してくるなんて、どーせ厄介ごとだろ」
『厄介ごととはひどいな。ちょっと仕事手伝え』
「いきなりかよ、しかも命令系って人に頼み事してる態度じゃねーだろ」
『別にいいじゃんよ。それとも日夜ちゃんの声で媚売って頼んでやろうか?』
「ふざけんなよぜってぇやめろ。お前の口から日夜のかわいい声が出たら吐き気がする」
『相変わらず親バカだねぇちゃんは。で、手伝ってくれんのかくれないのかどっちなんだよ』
「あームリ。俺今教師してっから」
『噂には聞いてたけど本当にしてたのか。似合わなさ過ぎだろ』
「うるせぇ。とりあえずムリって言ったらムリだ」
『まぁそういうなよ。零時ちょうどに松島コーポレーションのビルの前な』
「だー切りやがった!この自己中ヤロー!!」
「先生?」
「ん?あーお前らか。サッカー部が集合して何してんだよ?」
「昼ごはん食べていたんです」
「先生こそどーしたんですか?」
「あーちょっとな、俺のことはどーでもいいんだよ。お前ら授業に遅れんなよ。じゃあな」
「あー・・・」
何か電話の相手に怒鳴っていたようだけれど、先生があんなに声を荒げているのをはじめて見た。見た目があんなんでしゃべり方も態度もあんまりいいとは言えないから最初は怖がっている生徒が多かったけど時間がたつに連れて先生に対する評価が代わってきた。今では授業もわかりやすいと評判でみんな親しげに話しかけているのをよく見る。だからこれは以外で電話の相手にちょっと興味がわいた
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後書き
と言う訳で今回はキャプ視点でお贈りしてみましたvvでも話し方がよくわかんなかったぁ・・・(自爆
そして、初戯言キャラが登場です!!電話だけど・・・
潤様大好きですvv最強でかっこよすぎな方です。戯言キャラはほとんど好きなんですけどね
次からは潤様が出張る予定です
2007/8/10